岐阜県日本中国友好協会は本年度第1回目の「日中ぎふフォーラム2024」を岐阜市橋本町のハートフルスクエアGで開催しました。九州大学大学院教授の益尾知佐子さんを講師に招き、「中国の対外政策と米中関係」と題して講演をいただきました。
益尾教授は現代中国の政治・外交が専門で、ハーバード大学でエズラ・F・ヴォ―ゲル教授(2020年死去)の研究助手を務め、ヴォ―ゲル教授の著書『現代中国の父 鄧小平』『日中関係史』を翻訳されています。
益尾教授は、中国のトップ習近平国家主席はマルクスの唯物史観を基本に、中国はロシアや発展途上国と国際統一戦線を組んで米国をはじめ日本、EU多数派、イギリス、オーストラリア、カナダなどの主要矛盾(覇権主義)に対抗し、中国の夢(中華民族の偉大な復興)と人類運命共同体の実現を目指したものであり、1930年代から79年頃までのイデオロギー外交と変わらないと指摘。参加者は、今後の日米中関係について理解を深めました。
岐阜県日本中国友好協会主催の「新春のつどい」を2月3日(土)、グランヴェール岐山で開催しました。中国との貿易を営む久保田百恵さんを講師に迎え「日中ビジネスから学ぶこと」と題して講演をいただきました。
久保田さんは、大学で学んだ中国語や旅行会社の経験を活かして起業。岐阜県の誇る「関の刃物」などの輸出、商談などの通訳に特化した業務を展開。日中ビジネスでは、コミニュケーション、交渉、問題解決力が求められ、「互いの国民性を理解し共に歩む」姿勢が大切と強調されました。
ひきつづき、朝日大学医科歯科医療センター歯科医師で大学院生の岡本千昭さんから訪中レポートを発表していただきました。岡本さんは岐阜県友好都市青少年江西省訪問プロジェクトに岐阜県代表として参加。この事業は両国の青少年の交流を通して、相互理解、友好関係の発展を目的に開催されたもので、県内の高等教育機関から23名が参加しています。岡本さんは、中国側の学生との交流の中で感じた彼らの逞しさなどの感想を、旅の楽しさを交えながら、発表されました。
岐阜県日本中国友好協会は「第2回日中ぎふフォーラム」を岐阜市橋本町のじゅうろくプラザで開催しました。朝日新聞社国際報道部次長で中国担当デスクの奥寺淳さんを講師に招き、「習体制3期目の中国・香港、そして海外から見た日本」とのテーマで講義していただきました。
奥寺さんは取材経験をもとに話を進め、いまの日中関係の厳しい状態を指摘するとともに、コロナ渦の前まで、多くの中国人観光客が日本に来て微信などSNSで情報を発信、中国でその情報を共有する人が多くいて良いサイクルにあったとの分析から、観光などによる人々の往来が日中の関係改善に極めて重要で、両国関係の強い足場をつくっていくと強調。参加者は最新の中国情勢、日中関係について理解を深めました。
岐阜県日本中国友好協会は5月27日(土)「日中ぎふフォーラム2023」を岐阜市橋本町のハートフルスクエアGで開催しました。現代中国研究の第一人者である阿古智子さんを講師に招き、「若者(Z世代)を通してコロナ後の中国を考える」とのテーマで講義いただきました。国内における格差を身をもって感じ、社会問題に関心を持った若者が、「白紙運動」に参加したことなど、つぶさな現地調査を元に詳細に解説。参加者は、若者の力でうねりを起こす、現代中国社会について熱心に聴講しました。
岐阜県日本中国友好協会主催の「新春のつどい」を2月4日、グランヴェール岐山で開催しました。
中国での植林緑化事業に長年たずさわった中川護さんを講師に迎え「日中緑化交流の記録」と題して講演をいただきました。
中川さんは、元林野庁職員で、2019年までの20年間にわたり行われた日中緑化交流基金による事業に関わりました。
この事業は、当時、長江流域をはじめとする大洪水災害に直面し、自然災害の防止や森林資源回復のために全国的な緑化運動に取り組んでいる中国に対して、1999年訪中した小渕総理大臣が民間ベースによる植林緑化協力を約束したものです。中川さんは、この植林緑化事業に参加。事業完了までに7万ヘクタールにおよぶ造林の過程とその間に築いた現地の方々との交流について発表されました。最後に「生態系は着実に改善している。日中友好の証として語り継がれるだろう」と締めくられました。
2022年は日中国交正常化から50年、岐阜・杭州両市「日中不再戦」碑文交換60年にあたり、岐阜県日中友好協会(杉山幹夫会長)は「岐阜から日中の未来をさぐる」をメインテーマに『日中半世紀 記念シンポジウム』を9月25日、岐阜市内のホテル・グランヴェール岐山で開催した。元朝日新聞編集員のジャーナリスト加藤千洋さんの基調講演「記者として見た日中50年」やパネルディスカッションを通じ、参加者は次の50年に向け不断の民間交流を続けていく思いを新たにしました。
加藤氏は北京特派員時代から目で見てきた中国から日中関係の在り方を読み解き、パネルディスカッションでは加藤千洋氏、愛知大学国際問題研究所客員・坂井田夕起子氏、当協会理事で元昭和商事常務・五島博美氏、森松工業監査役・西村今日子氏の各パネリストが、土屋康夫理事長の司会進行で意見交換を行いました。
「記者として見た日中50年」と題し基調講演する加藤千洋氏
意見交換する右からパネリストの五島博美、西村今日子、坂井田夕起子、加藤千洋の各パネリスト、司会・進行の土屋康夫氏
ピンポン外交の教訓を生かす時 小田悠祐さん直言
岐阜県日中友好協会主催の「ぎふ・中国くるぶ交流講座」を5月28日、岐阜市のハートフルスクエアGで開催しました。
小田悠祐さんを講師に迎え、「ピンポン外交の舞台裏から~日中関係の明日を考える」と題して講演をいただきました。小田さんは、今後の日中関係について「民間の力が原動力となった『ピンポン外交』の教訓を生かす時」と強調されました。
第31回世界卓球選手権名古屋大会に中国チームを招待するため、1971年1月に訪中した日本卓球協会の後藤鉀二会長の秘書として訪中に同行した小田さん。「日本卓球は世界NO1でしたが、後藤先生は中国を招きたい強い思いがあった。周恩来総理の参加意向が日中文化交流協会の中島健蔵理事長を介して伝わり訪中を決意された」
しかし北京会談は「中国が台湾非難を要求。後藤先生は決裂を覚悟されたが、突然風向きが変わった」。周総理が「後藤先生は私が春節にお招きしたお客様。政治三原則をのまれた先生を困らせるな」と事務方を叱責。周総理との接見を経て双方は合意文書に調印に至りました。
大会最終日、中国代表団の送迎バスに間違って乗り込んだグレン・コーワン米国選手と、荘則棟選手の交流を機に、中国が米卓球チームを招待。米中の雪解け、日中国交正常化へ。
小田さんは現在の日中関係にも触れ、「後藤先生と周総理の熱意が歴史の歯車を回した。今は難しい状況だが、民間交流こそ手を取り合える関係になれる」と結ばれました。
講座に先立ち県日中友好協会の2022年度総会が開かれ、国交正常化50周年記念シンポジウム(9月25日開催)などの事業計画案などが承認されました。
写真は、「民間交流で手を取り合える関係に」と語る小田悠祐さん=ハートフルスクエアG
中国の改革開放を支えた日本人
岐阜県日本中国友好協会主催の「ぎふ・中国くるぶ交流講座」を10月16日、JR岐阜駅高架下のハートフルスクエアGで開催しました。講師に番組制作会社テムジンのプロデューサー小柳ちひろさんを講師に迎え、1980年代以降に始まった中国の経済発展に焦点をあてたNHKドキュメンタリー番組「中国〝改革開放″を支えた日本人」をもとに制作秘話や登場人物のエピソードなど舞台裏を語っていただきました。
この番組は、当時の最高実力者鄧小平氏が文化大革命で疲弊した国を立て直すため、市場経済の導入に舵を切った1979年から40年を機に、2019年に放送されたものです。
小柳さんは取材を通じて、いまだ戦争被害に触れることの難しさ、改革開放に日本の民間人が果たした役割が日中双方でよく知られていないことを痛感、日本人は日中間の史実を知らないことが多く、もっと歴史的視点を持つべきと感想を語りました。
当日は会員他約50名が参加。講座をもとに、参加者がお互いに意見交換を行いました。
写真は、講師を務めていただいた小柳ちひろさん=ハートフルスクエアG
2021.6.27定期総会を開催しました。
岐阜県日中友好協会の2021年度定期総会が開かれ、オンライン会議などの規約改正案、新年度収支予算・事業計画案など5議案を承認しました。
定期総会後、ぎふ・中国くるぶ交流講座を開催しました。
今回は村上太輝夫・朝日新聞オピニオン編集部解説面編集長を講師に招き、「習近平政権の行方と日本の進路」と題し講演を聴きながら、参加者は米中対立の中で隣国中国への向き合い方を考えました。
「聴く、観る、遊ぶ」をキーワードに各界から講師を招き年2回、会員ほか市民にも無料公開して開催しました。コロナウイルスの感染拡大で2020年以降、1年8か月ぶりの開催となりましたが、会員、一般約50人が聴講しました。
写真は、講師を務めていただいた村上太輝夫・朝日新聞オピニオン編集部解説面編集長
=ハートフルスクエアG
岐阜県日中友好協会は2月1日(土)、毎年恒例の「日中友好新春のつどい」を岐阜市のグランヴェール岐山で開催しました。
杉山幹夫会長、副会長の柴橋正直岐阜市長、中国駐名古屋総領事館曽理華副領事の他、中国人留学生を迎えて交流会を開催しました。中国国内で新型コロナウイルス感染症が流行するなか、曽副領事からは「闘いに勝つ」との力強い決意とともに、日本からの支援に感謝の言葉がありました。
講演には、高山市旧朝日村で農村体験ができる民宿「喜楽園」を主宰するモンゴル出身の張訳丹(チャン・イーダン)さんを講師に迎え、地域住民とのアジアからの旅行者との交流、地域に感動を届け、地域に貢献する交流とビジネスについて講演していただきました。
「中日両国の笑顔を増やす。人生の価値は何を得るかではなく、何を残すかにある」。張さんの人柄あふれる講演はみなさんの心に届きました。
写真は、講師を務めていただいた張訳丹さん=グランヴェール岐山
中国で教えるジャーナリズム
岐阜県日中友好協会主催の「ぎふ・中国くるぶ学習会」を10月19日、岐阜市橋本町の朝日大学病院で開催しました。講師に元読売新聞記者で中国広東省汕頭大学教授の加藤隆則さんを迎え、大学で担当される授業を元に中国事情を講演していただきました。
加藤さんは汕頭大学の新聞学(ジャーナリズム)を担当され、学生たちが京都で行った取材を基に日本の伝統文化や先端技術を伝えた映像を紹介。中国の学生たちは日本の学生とは比較にならない知識や情報に対する強い渇望があること、あわせて日本の学生に対する奮起を願っていることを語られました。
広大な中国はそれぞれの地域に歴史があり、考え方も多様であること。中国は文化に多様性があり、一つの国としてみてしまうと見えなくなることがたくさんある。それぞれの地方や生活者の視点に立つことの重要性を語られました。
写真は、講師を務めていただいた加藤隆則さん=朝日大学病院
岐阜県日本中国友好協会は定期総会を令和元年5月25日、岐阜市内で、新年度事業などを原案どおり承認した。
本年度事業は中国事情や文化経済などをテーマにした交流講座等の開催、県内の国際交流団体との共同事業、岐阜市の杭州市国際交流派遣事業への参加などを計画している。
総会後、「ぎふ・中国くるぶ交流講座」を開催し、杉本勝則氏(北京外国語大学北京日本学中心客員教授、アジア・ユーラシア総研客員研究員)の「この目で見た中国~その歴史と体制~」と題する講演に、80余人が耳を傾け、日本と比較しながら中国の政治体制や歴史、国民性や考え方などを学んだ。
杉本氏は、異民族が入れ乱れ、王朝が変遷した3000年の歴史や共産党統治下の実像にも触れ、中国人の行動原理や死生観の日本人との違いを解説した。「中国は異質の国ではない。日本とは制度、体制の全く違う国であることをまず認識すべきだ。尖閣諸島問題は体制の違いに気づかないままの『相互誤解』の積み重ねが日中関係を悪くした例だ」とした上で、『相互理解』に向けて「人と人との交流を通して違いを知り、受け入れることから始めよう」と呼びかけた。
岐阜県日中友好協会訪中団は今月5日から9日まで杭州市、南昌、上海を回りました。8日の南昌で開かれた岐阜県・江西省友好提携30周年記念行事への参加が主なミッションとし、当協会が古くから交流を続けている杭州市で浙江省、杭州市対外友好協会と民間交流の進め方について意見交換を行った。
安倍首相の訪中で「日中関係は『薄曇り』から来年の習近平国家主席の来日で、好転の兆しを実感しており、交流にはとても前向き。
来年は岐阜市と杭州市の友好提携40年。「新しい酒は新しい革袋に盛れ」の例え通り、互いが手を携え協力して若い人たちの交流の機会をつくることが求められている。
日中関係、安定期に
~安倍首相訪中など解説
岐阜県日中友好協会主催の「ぎふ・中国くるぶ講演会」が10月27日、瑞穂市の朝日大学であり、元駐中国大使で宮本アジア研究所代表の宮本雄二さんは安倍首相訪中を評価し、「日中関係は安定期に入った。日本は米中衝突を回避させる大役を担っている」と語った。
宮本さんは2006年から10年まで駐中国特命全権大使を務めた。
宮本さんは「台頭する中国、激変する世界、日本の立ち位置」と題し、安倍首相の訪中や米中貿易摩擦の見通しなどを解説した。「日中は激しく殴り合い、ようやく握手をした段階」と首相訪中を評価し「今は薄曇りだが、習近平訪日が実現すれば晴れる。中国は『知財』の世界ルールを受け入れ、日本企業はやりやすくなる。中国は再び日本から学ぼうとしており、第3国での協力をwin、win、winに」。日本の最大課題は「米中を衝突させないこと。安倍首相は中国の信頼を得てトランプ米大統領に働きかけなければいけない」と語った。
写真は、安倍首相の訪中によって日中関係は安定期に入ったと話す宮本雄二さん=朝日大学
第2回ぎふ・中国くるぶ公開例会は台風接近にドキドキしながら無事終了。「中国ビジネスは人と人とのつながり。成否の鍵 は信頼できる人をいかに得るかにかかっている」という野村康弘講師(天野エンザイム常務取締役・生産本部長)の指摘は古くて新しい含蓄のある言葉だった。
同社は現在の愛知県西春町で明治中頃、売薬を始めた天野圓之助に始まる。嫡男の源一が天野慈善堂を立ち上げ、日中戦争最中の1939年、武昌支店を開いたのが中国との第一歩。上海にも支店を出し、浴剤などの販売で成功するが敗戦でゼロに。戦後、天野製薬(株)として再出発、医薬用酵素を製造。消化整腸薬「ビオヂアス」が大ヒット。時が流れ日中国交正常化後、再び中国ビジネスを推進。江蘇省の酵素工場を生産拠点に江南大学と共同研究に取り組む。
しかし、これまでの道は決して平坦ではなかった。2012年に労働争議が勃発。幹部の不正に真摯に向き合ったことが従業員の信頼を勝ち取り、次のステージに繋がった。
先代社長のとき、1980年に中国科学院研究生の名古屋大学留学を援助、江蘇省と愛知県の友好都市提携を橋渡し。現社長も奨学金制度を創設するなど、先々代の中国への想いを継承する。その想いとは、天野慈善堂の慈善(恵み、情け、慈しむ。事業を通して社会貢献)。天野の精神の一つである。
写真は中国勤務の経験を講演する野村康弘講師=岐阜市内の朝日大学病院西館ホール
岐阜県日本中国友好協会は定期総会を19日、岐阜市内で開き、杉山幹夫会長を再任、名誉会長に古田肇知事、副会長に柴橋正直岐阜市長、小川敏大垣市長が新たに就く役員改選案などを原案通り承認した。
本年度事業は、日中平和条約締結40周年、岐阜県・江西省の友好都市提携30周年を記念し、中国事情や文化・経済を学ぶ公開講演会「ぎふ・中国くるぶ」を継続開催、岐阜県の江西省友好代表団派遣事業への参加などを計画している。
総会後、「ぎふ・中国くるぶ」のパート1を開き、元外交官で徳川美術館副館長の市橋康吉さんが「40年前の中国~国交正常化初期の思い出」と題し、1970年代のアジア情勢、中国での語学研修体験を交え、日中平和友好条約締結までの歩みを語った。
最後に「中国は憲法を何度か改正しているが『共産党の指導』など国家の基本は維持。GDP世界2位の経済力を背景に中国は『世界のモデル』になるぞ、という勢いだが、すんなりいくとは思えない。世界との関わりの中で大きく変わらざるを得ない。中国の混乱を望む者はいない。賢く変わって行ってほしい」と結んだ。
写真は、自らの外交官時代を振り返りながら講演する市橋康吉さん=岐阜市内の朝日大学病院西館ホール
2012年からの会報のダウンロード版を用意しました。
ダウンロードしてご覧下さい。
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